鞠躬尽力(きっきゅうじんりょく)

2020/06/09

 2020年6月号の特集は、鞠躬尽力(きっきゅうじんりょく)である。鞠躬尽力とは、体を毬のようにちぢめて全力を尽くし、それを死ぬまで続けてやまない、という意である。吉田松陰が野山獄にて、この言葉こそ道を学ぶ者の根本精神である、と囚人に紹介したとのこと。諸葛孔明が出陣に臨んだときの一文。命がけで出陣していったことがわかる。感動しかない。

 龍村仁氏、小林研一郎氏ともに、1940年4月生まれで、現在、80歳である。小林氏は、10歳のときにラジオで「第九」を聴いてから、いまも、ベートーヴェンの行間を読み解く旅で、もがき続けている、とのこと。龍村氏は、勤めてしたテレビ局を懲戒免職になってから、映画製作に携わるようになったとのこと。「ガイア理論」とは、人智を超えたこの生命システムのことで、龍村氏は「ガイア理論」で化学反応を起こして、1992年、『地球交響曲第一番』を誕生させた。お二人とも、こらかもまだまだできることがあると考え、新しい感動を得て、自分をクリエイトしていきたいのことである。

 ドラッカー著『マネジメント』に、マネジャーの第一の役割がある。部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。マネジャーは、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消さないければならない。この役割は、オーケストラの指揮者に似ている。

 小林氏の一貫した信条は、オーケストラの一人ひとりをひたすら尊敬すること。超天才の集団として一人ひとりを認め、羽ばたかせることのできる煌めく時間をつくるのが指揮者の役割である。指揮者は透明人間でなくてはいけない、とのこと。

 中小企業経営者の伴走者としての理念を考えたときに、まずは、経営者が努力し続ける後押し、環境づくりをすることが必要である。それは、経営者は一人で戦っているわけではなく、社員とともに戦っているので、経営者が社員の三倍は努力しなければならない。なぜ三倍かというと、経営者は社員の三倍の給与をとらなければならないからである。経営者が三倍努力するのだからこそ、私も経営者以上に努力しなければならない。年間3,200時間以上、がむしゃらに働こう。

 龍村氏、小林氏は、40代がむしゃらに働いていたことが想像できる。それも楽しんで働いていたのであろう。私の事業領域は、人である。関わる人が素敵な笑顔になるために、もっともっと勉強し、行動していく。

 『文明の最高目的は人間人格の発展である。』アレキシス・カレル

 及川浩次郎

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