感応道交(かんのうどうこう)

2020/09/05

 「感応道交」とは、感じ合って応じ合っている者にしか道の交わりはない、という教えである。
 森信三先生の言葉。
 「人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。しかも一瞬早過ぎず、一瞬遅すぎない時に」
 「縁は求めざるには生ぜず。内に求める心なくんば、たとえその人の面前にありとも、ついに縁を生ずるに到らずと知るべし」
 
 44年間の人生を振り返ってみた。とても幸せな出逢いばかりである。幸せな出逢いだったと感じる方との縁は、ずっと続いている。(逆に、ちょっと嫌だなぁと感じた縁は、続いていないかもしれない。)
 出逢いは、人間だけではないと思う。いま幸せと感じられるのは、本との出逢いも大きい。大学2年生まで読書なんてしてこなった私が、10年間続けてきた部活を辞めて、はじめて読書をした。難しい本を読めなかったので、とにかく司馬遼太郎の本を読み漁った。そこで、論語と出会い、一日一文、ノートに原文と和訳を書いていった。両親から「家学は歴史学」と言われ続けてきたことが、20歳過ぎて、やっと理解できるようになった。
 学生時代も素晴らしい先生との出逢いが沢山あったが、読書をするようになってからは、自分から求める出逢いが増えていった。(ただし、自分の金銭欲がくらんだ仕事の出逢いは、続いていない。)
 いま、責任という重圧があるが、やりがいのある仕事ができているのは、人と本との出逢いのおかげだと思う。出逢いに感謝しかない。

 『感性を磨く生き方』で38歳の村上信五氏(関ジャニ∞)が、行徳哲男氏と芳村思風氏と対談されていることに、まず感動しました。村上氏が素晴らしい本を紹介することは、社会に良い影響があると思う。
 村上氏とジャニー喜多川氏との出逢いと教えは、中小企業経営にも参考になる。ジャニー氏からは、「チャレンジした時は怒られなくて、チャレンジしなかった時に怒られた。」とのこと。辞めようとしたときに、支えになったのが、「夢と希望」とのこと。
 我々、中小企業経営者は、社員がチャレンジできる環境を整えて、夢や希望を持てる会社にしていかなければならない。そして、中小企業経営者が、一番学んでいかなければならない。その学びは、「哲学を学ぶべきものにあらず。哲学することを学ぶべし。つまり、哲学というのは頭でやるものじゃない。体を通して、実践を通して学んでいくものだと。」(行徳氏)
 現在、5S活動を指導を受けて導入している建設会社がある。社員全員で体を通して、実践を通して、5S活動をしている。会社が一つにまとまってきているのがわかる。何に対しても実践していかないと学びにならない。

 「孟子の教えの中に、『君子、自反す』とあります。自反というのは、自分が本当の自分に反る。矢印を相手に向けるのではなく、自分と向き合う人こそが立派な人物だと。」(行徳氏)
 「一般的に問題というのはすべて、人間を苦しめるために出てくるのではなくて、人間を成長させるために、会社を発展させるために、社会をよりよくするために出てくるんですよね。」(芳村氏)
 この部分を読んで、中小企業経営者は、一年に一度は「中期計画」を立案しなければならない。ということを自信をもってお客様に伝えられると思った。
 経営者は自分が何者で?、自分の人生理念から派生する会社の経営理念は何で?、将来の会社を考えたうえででてきた今の経営課題は何なのか?、その経営課題をどうやって解決して会社を成長させていくか?徹底的に考えなければならない。

 総リードから。
 経営はそのトップの器によってすべてが決まる。自分の人生は自分の器によって決まる。自分を磨く方法は四つである。
 一、古今の師に学ぶこと。
 二、仕事に打ち込むこと。
 三、意識を高めること。
 四、へこたれないこと。
 地域の中小企業経営者とともに歩み、お互い磨きあえるように切磋琢磨していきたいと思った。日本の中小企業はこれから面白い時代がくる。一緒に戦っていきたい。
 2020/09/05 及川浩次郎
 (画像は、父が行徳哲男氏から頂いて事務所に飾ってある書です)

 

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