『経営者を育てるアドラーの教え』
2020/03/27
致知出版社から、岩井俊憲氏の『経営者を育てるアドラーの教え』が出版された。https://online.chichi.co.jp/item/1226.html
あとがきに、岩井氏の「この本に込めた私の想い」が書かれている。お父様が地元では知られた中小企業経営者であったが、倒産されたとのこと。生活が一変し、従業員の幸せを願う経営者だったお父様が老け込んでしまった姿をみた岩井氏は、「中小企業の経営を何とかしなければ、という思いが強くなった」とのこと。岩井氏のその熱い想いが文章のなかで感じ取れる。
アルフレッド・アドラー(1870-1937)は、フロイトやユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」の一人と評されている。アドラー心理学の特徴は、あらゆる対人関係は「縦」ではなく「横」の関係にあり、人と人とは対等であると考える。また、アドラー心理学のひとつのテーマに、「共同体感覚」がある。
「われわれのまわりには他者がいる。そしてわれわれは他者と結びついて生きている。人間は、個人としては弱く限界があるので、一人では自分の目標を達成することはできない。もしも一人で生き、問題に一人で対処しようとすれば、滅びてしまうだろう。自分自身の生を続けることもできないし、人類の生も続けることはできないだろう。そこで、人は、弱さ、欠点、限界のために、いつも他者と結びついているのである。自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献するのは共同体感覚である。『人生の意味の心理学』」
次世代型組織であるティーン組織は、組織構造が「ピラミッド型」ではなく、「輪(和)型」で表現されることが多い。稲盛和夫氏の提唱する組織構造であるアメーバー型もその一種なのか、と考える。
中小企業は、従業員はもちろん、協働会社、取引先、仕入先、金融機関のすべてを「輪(和)型」に連携しなければならない。それには、自社受容(現実を受け入れ)、現在から将来へのビジョンを明確にしなければならない。そのビジョンを、従業員を含めたフォロワーと共有して、連携が強化される。
世界経済が大きな局面を迎えている。早く落ち着きを取り戻すことを願います。この局面が終息したあとは、大変革期が必ずきます。今一度、経営者の、自社のビジョンを再確認・再構築する必要があるかと思います。
中小企業の共通的な「弱み(Weaknesses)」である、「ITシステムの活用」は、克服しておかないと、さらに取り残されて行ってしまうかと考えます。そのためには、まずは、自社分析・受容が必要です。
我われの中期計画立案計画支援は、定性的な自社分析を重要視します。365日の1日を、自社を徹底的に考える日にして頂きたいです。全力で支援させて頂きます。
及川
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